私は救われたんだと思う

同意その一

 

「宇宙人もいるかもしれない」

 

その日は今までのいつよりもハッキリとした星空だった。

ふたりで土をえぐって、大きな模様を描いた。

主導権は私がもっていて、付き合ってもらったみたいなもんだけど。

日に日に得ていく常識と捨てきれずにいた非常識のなかで

寂しさだけが残っていた。

「やれやれ」

そっけない態度だったけど、あんたからは否定は感じなかった。

「ばっかじゃないの?」

あんときは名前も聞かなかったけど

きっとまたどこかで会えるはずと思っていた。

 

同意その二

 

「今のこれが奇跡」

 

平凡とお別れしたくて私はそのクラブを作った。

二度と取り戻せないことが感覚的に分かっていたから。

この場所を離れなくてはならない時がやってきたら

感じる寂しさを予知できたから。

今から、それと向き合っていこうと思うの

あんたはいろいろ忘れてしまっていたし、私も秘密にしているけど、

途中で見つけ出してくれた気がする。

 

捕まえたい。探しに行きたい。

 

いつだって目を大きく開いて

口元は、怒っているみたいにも、微笑っているみたいにも見える

 

世界、旅、人格。

いろいろとすでに見つけている。

 

同意その三

 

「悩んで沈んでいる顔も意外と悪くない」

 

不思議なことや人たちに囲まれていることに

気付いているのは私だけなのかもしれない。

恋煩いなんて、柄にもないことだとお互いに思っている。