忘却の彼方

夜まであとわずか

傘もいらない1日

この日は遠くの場所にあった


下校している途中

窓から街を眺めているのは

この春に出会ったアイツだった

昇り竜のような雲を見上げていた記憶の中の夏は、息苦しく、俺の呼吸を乱し続けてくれた

そんな夏は

まだまだ生き延びつづけるもんだと

覚悟していたからな

だがもうこの空気が訪れていたことに

さっき気づいた


建物に縛り付けられていることが長かったので、散歩をしてみたら


あちこちで、良いにおいがあがっている