私は救われたんだと思う
同意その一
「宇宙人もいるかもしれない」
その日は今までのいつよりもハッキリとした星空だった。
ふたりで土をえぐって、大きな模様を描いた。
主導権は私がもっていて、付き合ってもらったみたいなもんだけど。
日に日に得ていく常識と捨てきれずにいた非常識のなかで
寂しさだけが残っていた。
「やれやれ」
そっけない態度だったけど、あんたからは否定は感じなかった。
「ばっかじゃないの?」
あんときは名前も聞かなかったけど
きっとまたどこかで会えるはずと思っていた。
同意その二
「今のこれが奇跡」
平凡とお別れしたくて私はそのクラブを作った。
二度と取り戻せないことが感覚的に分かっていたから。
この場所を離れなくてはならない時がやってきたら
感じる寂しさを予知できたから。
今から、それと向き合っていこうと思うの
あんたはいろいろ忘れてしまっていたし、私も秘密にしているけど、
途中で見つけ出してくれた気がする。
捕まえたい。探しに行きたい。
いつだって目を大きく開いて
口元は、怒っているみたいにも、微笑っているみたいにも見える
世界、旅、人格。
いろいろとすでに見つけている。
同意その三
「悩んで沈んでいる顔も意外と悪くない」
不思議なことや人たちに囲まれていることに
気付いているのは私だけなのかもしれない。
恋煩いなんて、柄にもないことだとお互いに思っている。
惑星飛来
星
夜空にまたたくもの
突然、天蓋方面より飛来した惑星
その影響下に入り
頭の中に住み着いた彼女
高校生の夏から秋にかけて、ここにいたおかげで
強い風も光も失った時代に
また、自分の足で歩きだす
どこか遠い記憶へ
すきまの時間に神をみる
のびのびの時間
人から遠く離れて宇宙と繋がってる
昼間は明るい
窓の外からちょうど良い大きさの音
このように
有意義である
人と人の言葉の世界はあまり気持ちよくないので
黄緑色の葉や青空や夜と昼の間の時を大事に過ごすことにする
4月の嘘から目覚める時
窓を叩く音で目が覚めた
真っ暗闇で意識が朦朧としている
何寝てるの!
早くしたくしなさい!
?
深淵なる闇が奥まで広がっている
ん?夢、でも、とても可愛い女の子が目の前にいるし、制服を着ているので、
テンションが上がるところだと思うのだが、頭が痛い。睡眠がまだ必要のようだ。
入学式だっていうのに、パジャマで行くわけ?
入学式?!
まだ、1週間近く春休みだろうが!
てゆーか、どちら様?!
自分の立場っていうか、ポジションがまだ理解できてないみたいね
気の毒だけど、強制連行させていただきます!
連れてって!
視界がねじれた。
変な夢だったな。
違和感もなく、知らないみたこともない、場所にいることを今認識している
ここがどこかの教室だってことは分かる
振り返ると、見覚えのある顔
君は…
何?
いや、まだ夢が終わらないのか
でも、いやなんでもない。
君のこと知らないげど、とても、可愛いねとは、そんなことは口にするべきではないなと
それより、なんで、夜なの?
ここは、学校だよな?多分。
夜に学校に通学しちゃいけないって決まりでもあるの?
あるだろ?未成年なんだし。
未成年ってアンタ、いつの時代の話をしているの?バカなやつなら、そんな単語歴史の教科書に載ってたことも華麗にスルーしてるワードよ。
歴史の教科書?
あんた、サインしたんでしょ?
入部届けに。そうしたら、この活動のリーダーである私の言うことをききなさい!悪いようにはしないから!
サイン…サインか、確かにしたな。
そんな感覚は、ある。
と、同時にニュースで、ビルやら発電所やらが爆発した映像が脳裏に浮かんできた。
急に真面目というか深刻な表情を作った女の子は、ぶつぶつ呟いていた。
新入りがまさか、改変前の時代から紛れ込んで来たやつだなんて可能性は…
赤く燃える景色
12歳
ゆうやみ
ひんやりとしてる空
深呼吸
急いで思い出される
たびたび呼び起こされる
目の前には、1日の終わりの前
別れの前にみんなのこころは締め付けられたり
光が弱まっていくなか
影が伸びていくなか
風が心をなぞるなか
空が燃えている
それがいつもの自分
現実感のない溺れそうな声でよばれる
受け止めたい
同じ目線で同じ景色
寄り添うこころ